腰痛の原因はさまざま
今日はとても多い腰痛についてお話します。腰痛は整形外科の病気と皆さん考えていると思いますが、実はその原因は内科や泌尿器科領域などさまざまです。
皆さんが知っている椎間板ヘルニア、脊椎分離・すべり症、変形性脊椎症、骨粗鬆症、腰椎の圧迫骨折、脊柱管狭窄症、脊椎靱帯骨化症、あるいは腎炎、遊走腎、腎結石、尿管結石、子宮筋腫、時に脊髄腫瘍や膵臓がんの骨転移など、多くの病名や症状が隠れています。
腰痛を訴えて来院する患者さんの内、これらの病名の付く患者さんはおよそ20%であり、残りの80%が病名を付けられない、「不確定な要素による腰痛」であるといわれています。
これら80%のいわゆる病名の付けられない腰痛は、一般 には「ギックリ腰」、病院では「急性腰痛症」と片付けられてしまっていますが、これらは、いずれかの腰椎の後方変位 が原因です。
内科の私の診療室にも 「整形外科でレントゲンを撮影した結果では、骨には異常がないと言われましたが、痛みがなかなか取れないので、人に紹介されて来ました」と言って来られますが、大抵は腰部の関節周囲の筋や靱帯、関節軟骨の炎症が、痛みの原因となっています。
このような時には、神経ブロック治療といって、麻酔薬を局所注射すると、15分くらいで痛みが取れて、普通 どおり歩いて帰って行きます。まれに大腸がんや膵臓がん、肝臓がん、胆嚢がんの脊髄神経転移や骨転移もあり整形領域だけと考えるのは少し危険です。
腰痛一般のお話をすると、まず痛みの発生がどこから起こってくるのかをきちんと診断することが大事です。
年齢別 に簡単に分類すると 若い人では・腰椎椎間板ヘルニア(ついかんばん)、・ギックリ腰・筋・筋膜性腰痛症(きんまくせいようつうしょう)、・腰椎分離症・すべり症。中年では、・慢性腰痛症・腰椎椎間関節症(ようついついかんかんせつしょう)・腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)。高齢者では、・変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)・骨粗鬆症(こつそしょうしょう)・がんの転移という順番です。
一口に腰痛といっても原因はさまざまです。正確な診断のもとに治療をしなければなかなか治りませんし、がんの転移でしたら大変です。
なかなか治らない腰痛は主治医に相談して、別の視点から考えて早く治療してください。