便の色は大丈夫ですか?
皆さんはトイレで自分の大便をじっと見たことがありますか?実は、大便は消化管からの大事なメッセージなのです。大便の色は通 常黄土色ですが、黒っぽい便が出たり、赤い血液が混じっていたら、一大事です。
便に血が混じることを下血と言いますが、これは消化管からの出血を意味します。食道や胃、十二指腸、小腸、盲腸、上行結腸からの出血など上部消化管からの出血は腸を通 って大便とともに排泄されるため、途中、血液は酸化され、便が黒くなり、コールタールのようになります。
これはタール便(黒色便)と言われ大量 の出血を意味します。
これに対し、鮮紅色の真っ赤な血液が付着、混入した場合は、下部消化管の左結腸、直腸、肛門からの出血で血便と言われます。
上部消化管の大量出血の原因は胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃癌・食道静脈瘤破裂などで、吐血に伴って下血が起こります。 下部大腸の出血の原因としては大腸癌、潰瘍性大腸炎、クーロン病、赤痢や大腸炎、腸結核、虚血性大腸炎、憩室症など多くの病気があります。
今日は、特に最近多い大腸癌についてお話します。大腸癌は、回盲部(盲腸の場所)や、肛門から15・位 までのS字結腸、直腸に発生しやすく、S字結腸、直腸だけで大腸癌全体の40%〜50%を占めます。この場所は肛門に近いため、症状が早期に出やすく、ほかの癌に比べて早く見つけることが可能です。
大腸癌の症状は、便に血が混じること以外、特別な自覚症状がなく、癌が大きくなりますと、便秘がちになったり、便秘と下痢を繰り返すようになり、さらに進むと便が細くなり、排便してもすっきりしないで残った感じがするようになります。
直腸癌の場合は、80%〜90%に血便が見られますので、自分で痔と判断せず、必ずかかりつけの医師に診てもらいましょう。
次に検査診断法ですが、簡単で診断率の高い検査法として便潜血検査があり、肉眼で見えない少量 の出血でも便潜血反応で便の中に血液が混じってないかを診断できます。直腸指診も大事な検査法で直腸癌の70%は、肛門に指を挿入するだけで、発見することができます。
また内視鏡カメラを肛門より挿入して行う大腸内視鏡検査や、バリウムを肛門から注入してX線撮影する注腸造影検査法も大事な検査法です。最後に治療法ですが、早期発見された大腸、直腸癌では、入院せず、外来で内視鏡を使用し、癌だけを切り取ることができます。
消化管出血は早期発見することがいかに大切かお分かりでしょう。
便の色がおかしいと思ったら、なるべく早くかかりつけ医に相談しましょう。